SSブログ

計測と制御VOL55No10月号2016 [1 本題(脳科学モデル)]

谷口先生の総論で ロボットと実環境の相互作用に基づく記号コミュニケーション基盤創成
の記事である

これらの研究の課題、目標は
『ロボットが人間とコミュニケーションを取るにはどうしたら良いか』
である
ところが、今話題になっている人工知能のようなシステムでは、それが出来ない
なぜ出来ないか?
1980年代の人工知能の研究は論理による展開での限界は「記号接地問題」
で示された。つまり、実環境とシステム上の意味の関連性の定義が出来ないからである
例えば、コップを取ってとロボットに依頼すると
ロボットシステムはコップという概念がわからないと対応できない<その前に発話からコップという単語を取り出すところがあるのであるが、それはクリアされたとする>
人間であれば、コップの材質、形、取手があるかないか、重さなどが頭のなかにある
視覚、聴覚、触覚を総動員して理解している(マルチモーダル)
ところが、ロボットには何らかの形で、それを覚えさせることが必要であろう
だったら、深層学習というニューラルネットワークによる手法でやれば良いのか?
これは、それである程度、ロボットの身体性に応じた理解ができるところまでは来ているようだ
ロボットの身体性とは、視覚聴覚触覚などのセンサー情報とアクチュエータによる動きを言う
視覚であれば、視点を変える動作と共に3次元的なコップの形状を見るであろうし、聴覚なら叩いた時に出る音の状態、また、触覚であればその質感、持った時の重量など
それらを深層学習をベースとした学習である程度は可能であろう。
ただし、それは今の機械学習とは完全に異なる
なぜならそれには
身体性が必要であり、IT、データを利用するのみでの、コンピュータ内部の処理では済まないからである
実環境による学習 それもマルチモーダルで行う
人間は発達過程において、それをやってきたから、コップという概念を獲得して、
コミュニケーションがとれる
と言うことであろう

とすると
1 まず、自然言語処理で単語の抜き出しが出来るのか
2 視覚聴覚触覚をマルチモーダルに備えたロボットを作り
3 実環境で学習する

という過程が必要になってくる
#それって、3年やって、3歳程度の能力なのか???

汎用性をそのロボットに持たせるには
さらに 様々な環境でそれを学習させなければならない

$ これも、学習するモデル(システムには何らかのモデルが必要)が正しいか検証が必要(まさにこれを谷口先生らが取り組んでいる状態と理解しています
$ 人間が概念を獲得するモデルもわかっていない(なぜなら、観測不可能だから)

ちょっと気が遠くなる

でも出来るかもしれません
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。